Live2D Cubism Editor 5.1 alpha2

 モデルテンプレート機能の強化
(部分テンプレート機能に対応)

ユーザーチュートリアル


2024/04/11  r2


目次

目次

チュートリアル

モデルテンプレート機能の強化について

事前準備

テンプレートを適用する

テンプレート適用時のTIPS

適用後にモデルを調整する

テンプレートのモデルを作成する


改訂履歴

バージョン

改訂日

改訂内容

r2

2024/04/11

alpha2向けに更新しました。

・「適用後にモデルを調整する」の項目にあるパーツの挿入方法について記事を修正しました。

r1

2024/03/28

初版作成

チュートリアル

モデルテンプレート機能の強化について

概要

モデルテンプレート機能とは、完成したLive2Dモデルを元に、パーツやデフォーマ構造、そしてパラメータのキーフォームなどの要素を新しく作成中のモデルに適用できる便利な機能です。

モデルテンプレート機能を使用することで、既存のモデルの特徴や動きを新しいモデルに簡単に転用することが可能になります。

従来のモデルテンプレート機能は、デフォーマ構造やキーフォームを持つモデルには適用できなかったため、モデリングの最初の段階で一度きりしか適用することできませんでした。

Cubism 5.1 alphaでは、デフォーマ構造やパラメータのキーフォームを含む任意のモデルにもテンプレートを適用できるようになりました。

これにより、何度でも適用が可能になり部位ごとの細かい調整も容易になります。

マニュアル参照

Cubism 5.0 以前

Cubism 5.1 alpha

事前準備

Cubism 5.1 alpha版では[モデルテンプレート選択]ダイアログが空の状態になっています。

後述するモデルテンプレートフォルダに以下のファイルを置くことでダイアログにモデルが表示できるようになります。

利用規約を確認し、ファイルをダウンロードしてください。

利用規約

ダウンロード

下記よりZIPファイルをダウンロードしてください。

Download

テンプレートを適用する

適用先のモデルに、デフォーマやキーフォームが設定されていない場合を想定してテンプレートのモデルを適用していきます。

まずは、腕のテンプレートを部分的に適用してみます。

モデルテンプレートを登録する

  1. エディタの[ファイル]メニュー →[テンプレートを適用…]を選択し[モデルテンプレート選択]ダイアログを開く。
  2. モデルテンプレート選択ダイアログの[編集]メニュー →[モデルテンプレートフォルダを開く]を選択し、保存先のフォルダを開く。
  3. [事前準備]でダウンロードしたZIPファイルを解凍して入れる。
  4. 一度、[モデルテンプレート選択ダイアログを閉じる。

適用先のモデルを選択する

右の上腕、前腕、手のアートメッシュを選択します。

適用したい部位を選択することで部分的にテンプレートを適用することができます。

テンプレートのモデルを選択する

「Arm_template_L」の画像をクリックする。

適用先のモデルの前面に、選択した「Arm_template_L」のテンプレートモデルが重なるように表示されます。

モデルの位置とサイズを合わせる

詳しくは、Editorマニュアルの「モデルテンプレート機能」の「モデルの位置とサイズの調整」をご覧ください。

アートメッシュを対応付ける

詳しくは、Editorマニュアルの「モデルテンプレート機能」の「部品の対応付け」をご覧ください。

Cubism 5.1 alpha版では[プレビュー]のポップアップメニューに[対応付けを解除]ボタンが搭載されました。

意図しない対応付けが複数ある場合は、まとめて解除できます。

再生ボタンをクリックすると自動でモーションが再生されますが、部位によっては再生されない場合もあります。

その際は、[プレビュー]メニュー →[パラメータを表示]を選択して、[プレビュー・パラメータ]のポップアップを表示して直接パラメータの動きを確認します。

適用する

モデルの位置とサイズを合わせて[OK]をクリックすると、適用先のモデルへの適用方法を設定するダイアログが表示されます。

まずは、以下のように設定します。

適用先のモデルにテンプレートモデルのパーツやデフォーマ構造、そしてパラメータのキーフォームなどが適用されました。

詳しくは、ユーザーマニュアルの「モデルテンプレート機能の強化」をご覧ください。

テンプレート適用時のTIPS

Cubism 5.1 alphaでは、デフォーマ構造やパラメータのキーフォームを含む任意のモデルにもテンプレートを適用できるようになったため、従来と異なり適用結果がより複雑になります。

様々なケースでテンプレートをうまく適用させるコツを紹介します。

同じパラメータにキーフォームを移動する

テンプレートを適用すると、テンプレートモデルのパラメータやパラメータグループが適用先モデルに新規に追加されます。

顔の動き(角度X,Y)や、体の動き(体の回転X,Y,Z)など既に同じパラメータが適用先にある場合は、テンプレートモデルと適用先モデルで以下の項目が一致していればキーフォームを移動できます。

その場合、適用設定ダイアログの[同じパラメータ]の設定は[上書き]を選択します。

注意事項

適用先のモデルの構造に合わせてパラメータ以外(パーツやデフォーマなど)を上書きする機能は検討中の段階です。

適用箇所にラベル色を設定する

適用設定ダイアログの[ラベル色]の設定は[指定された色に変更]を選択し任意の色を設定しておくと、適用後にどこが変わったのかを確認しやすくなります。

注意事項

[上書き]設定などで適用先のモデルのパラメータにキーフォームを移動した際は、ラベル色の設定は反映されません。

適用時の精度を上げる

テンプレート機能はデフォーマの構造や動きを再利用することが得意です。

ただし、レイアウト次第ではアートメッシュがデフォーマから大きくはみ出してしまい、意図した動きにならない場合があります。

テンプレートモデルの全体の拡大縮小や調整用のパラメータなどを活用して、できるだけアートメッシュの形状を合わせることでデフォーマからのはみ出しを防ぎ、動きの精度も上げることが可能です。

テンプレートモデルを下絵にして、同じような形状のイラストを作成することでも、テンプレートの精度を上げることが出来ます。

適用後にモデルを調整する

パーツを整理し描画順を整える

Cubism 5.1 alphaでは、テンプレートモデルにあるパーツはテンプレート適用前に選択していたアートメッシュの付近に挿入されます。

テンプレートを適用していない部位との描画順の関係が変化してしまう場合がありますので、テンプレート適用後はパーツの位置や描画順を調整して見た目を整えましょう。

必要に応じて、空になったパーツも削除します。

デフォーマの親子関係を調整する

Cubism 5.1 alphaでは、テンプレートモデルにあるデフォーマはRoot直下の状態でパレットの下部に挿入されます。

髪などに部分的にテンプレートを適用した場合は、適用先のモデルの頭の動きに合わせる必要があるため、基準となる回転デフォーマの子供に設定するなどして親子関係を調整しましょう。

なお、位置や変形具合なども調整して他の部位に合わせます。

アートメッシュの形を整える

アートメッシュも同様に、部分的にテンプレートを適用する場合は、他の部位の動きとずれる可能性が高いため調整しましょう。

テンプレートのモデルを作成する

ンプレートモデルの互換性について

本alpha版で作成したモデルは今後エディタで開けなくなる(互換性が無くなる)可能性があります。

作成したモデルを今後もテンプレートとして使い続けていく場合は、互換性保持のため製品版のエディタで作成しましょう。

この場合、alpha版に読み込んだ適用先のモデルに、製品版で作成したテンプレートモデルを適用して試用する方法がお勧めです。

調整用パラメータを作成する

テンプレートモデルは「調整用のパラメータ」を設定することで、より細かく位置やサイズの調整が可能です。

調整用のパラメータは、レイアウト時に位置やサイズの調整のみに使用するため、テンプレート適用後は自動で削除されます。

調整用のパラメータを作成する

調整用のパラメータは、テンプレートモデルのパラメータIDの先頭に半角の「@」を付けることで作成することができます。

調整用のパラメータは、基本的にブレンドシェイプ用のパラメータを使用します。

ブレンドシェイプ用のパラメータを使用することで、パラメータの掛け合わせを気にする必要がなくなり、特定のデフォーマに複数の調整用パラメータを紐づけることが可能になります。

配布しているテンプレートモデルのパラメータ名にはレイアウト時に見分けやすいように「@」を付けています。(必ずしも名前に「@」を含める必要はありません)

配布しているテンプレートモデルを参考に、自分専用のモデルを作成してみましょう。

テンプレートを登録する

テンプレートに使用したいモデルは、モデルテンプレート情報ファイル(.template.json)として書き出すことができます。

詳しくは、ユーザーマニュアルの「モデルテンプレート情報(.template.json)」をご覧ください。

テンプレートモデルを準備する

Cubism 5.1 alphaでは、テンプレートを書き出す際は、モデル全体が対象になります。

既存のモデルから部分的に切り出してテンプレートにする場合は、必要なオブジェクトをのコピーして、新規のモデルファイルに張り付けます。

これにより部位ごとのモデルを簡単に作成することができます。

テンプレートモデルを書き出す

[ファイル]メニュー →[テンプレート書き出し…]を選択し、[テンプレート書き出し]ダイアログを開きます。

名前を入力し、必要であれば詳細も入力します。

詳細を入れることで、テンプレート選択ダイアログ内でツールチップとして表示され検索の対象にもなります。

[OK]をクリックすると、以下のローカルの場所にファイルが書き出されます。

書き出されるファイル

モデルテンプレート情報ファイルを編集する

テンプレート選択ダイアログの[編集]メニュー →[モデルテンプレートフォルダを開く]を選択すると、ファイルが保存されている場所が開きます。

モデルテンプレート情報ファイル(.template.json)をメモ帳などで開き、中に記載されている内容を変更して保存することで、ダイアログにGIFの画像を表示したり、参考用のデータを登録することもできます。

腕や髪のような部分的にテンプレートとして出力されたモデルについて、元となる全身モデルやPSDファイルを参照したくなることがあります。

この場合は、JSONファイルの「ReferenceFiles」セクションに全身モデルやPSDのファイル名を記載し、同じフォルダ内にファイルを配置します。

こうすることで、[参考]ボタンから指定したファイルを複製して保存することができるようになります。

Cubism 5.1 alpha1 のユーザーマニュアルの「テンプレート機能の強化」や、配布しているモデルテンプレート情報ファイル(.template.json)を参考にして、自分用にカスタマイズしてみましょう。

意事項

alpha版のエディタで作成したモデルテンプレート情報ファイル(.template.json)は、beta版のエディタでは使用できません。

あくまでalpha版でテンプレート機能を試しやすくするための一時的なものとしてお使いください。

テンプレートを書き出すような機能は、alpha版での運用を元に正式に搭載される予定です。

TIPS

サムネイルの表示が必要ない場合は、ダイアログの下にある[.cmo3ファイルから選択]からテンプレートで使用するモデルを直接選択することも可能です。

最後に、alpha版で新しくなったテンプレート機能を活用し、ぜひ自分専用のテンプレートモデルを作成してみてください。